岡山市で空き家や実家を解体する際、「古い建物ではないから大丈夫」「小規模な物置だから調査は不要では」と考える方もいるかもしれません。しかし、石綿(アスベスト)の事前調査は、解体・改修工事の規模にかかわらず原則として必要です。特に混同しやすいのが、 事前調査そのもの と、一定規模の工事で必要になる 事前調査結果の報告 の違いです。
この記事では、岡山市で建物を解体する施主の方に向けて、石綿事前調査の対象、80平方メートル以上で必要になる報告、元請業者と施主の役割、見積もり前に確認したいポイントを整理します。アスベスト除去の費用相場や工法ではなく、着工前に手続き漏れを防ぐための実務的な確認に絞って解説します。
解体前の石綿事前調査は原則として必要です
厚生労働省は、解体・改修工事を行う際、規模の大小にかかわらず、工事に係る部分の 全ての材料 について石綿含有の有無を事前に調査する必要があると案内しています。住宅本体だけでなく、解体範囲に含める物置、納屋、増築部分、外壁、屋根、内装なども、工事内容に応じて確認対象になります。
調査は、設計図書などの文書を確認したうえで、目視による確認を行うのが基本です。書類が見当たらない、見た目だけでは石綿の有無を判断できないといった場合に、どこまで確認や分析が必要になるかは建材や工事内容で変わります。築年数や外観だけから、施主や解体業者が自己判断しないことが重要です。
「石綿がなさそう」でも調査を省略しない
石綿が使われていないことが明らかな場合でも、その判断に至るための調査・記録が必要になる場面があります。調査の結果、石綿が確認されなかった場合と、分析をせず石綿ありとみなして工事を進める場合では、その後の施工計画や見積もりの考え方も異なります。まずは調査範囲と確認方法を、見積もり時に説明してもらいましょう。
調査を行う人の資格と、施主が確認したい範囲
2023年10月以降に着工する建築物の解体・改修工事では、原則として建築物石綿含有建材調査者など、一定の要件を満たす人が事前調査を行う必要があります。解体を依頼する側は、「アスベスト調査に対応します」という説明だけでなく、 誰が、どの資格区分で、どの範囲を調査するのか を確認しておくと安心です。
- 調査を行う人の氏名と資格区分
- 母屋、物置、納屋、増築部分など、調査対象に含める建物・部位
- 設計図書や建築確認関係の書類が必要か
- 現地確認、必要に応じた分析、結果説明をいつ行うか
一戸建て等石綿含有建材調査者は、一戸建て住宅と共同住宅の住戸内部に調査範囲が限られます。店舗部分、共同住宅の共用部、倉庫などが同じ敷地にある場合は、工事の対象に合った資格者が担当するかを確認しましょう。

「事前調査」と「調査結果の報告」は別の制度です
施主が特に注意したいのは、調査が必要かどうかと、調査結果を行政へ報告する必要があるかどうかは同じではない点です。 解体部分の床面積が80平方メートル未満でも、事前調査は原則必要 です。一方で、建築物の解体部分の床面積の合計が80平方メートル以上になる場合は、石綿の有無にかかわらず、元請業者または自主施工者による事前調査結果の報告が必要になります。
| 確認する事項 | 主な対象・基準 | 主な担当者 |
|---|---|---|
| 石綿事前調査 | 原則として、規模を問わない解体・改修工事 | 元請業者などが手配する有資格者 |
| 事前調査結果の報告 | 建築物の解体部分の床面積合計が80平方メートル以上など、一定規模の工事 | 元請業者または自主施工者 |
| 調査結果の記録・掲示 | 解体等工事 | 元請業者などの施工側 |
施工側は、事前調査の結果を記録して保存し、工事中は調査結果の概要を現場に掲示します。施主は、調査結果の書面説明を受け、現場でどのような掲示が行われるかも確認しておくと安心です。
結果報告は、石綿事前調査結果報告システムを利用して、労働基準監督署と自治体へ電子的に行う仕組みです。岡山市でも、元請業者・自主施工者による石綿含有建材の調査と、調査結果の報告について案内しています。施主は「この工事は報告対象か」「誰がいつ報告するか」を契約前に確認し、控えや説明書面を受け取る流れを決めておくとよいでしょう。
建設リサイクル法の80平方メートル基準とも混同しない
建築物の解体では、建設リサイクル法にも80平方メートルを基準とする届出があります。ただし、石綿事前調査結果の報告と建設リサイクル法の届出は、根拠法令・提出内容・担当者が異なる制度です。「80平方メートルだから同じ手続き」とは考えず、見積書や工程表でそれぞれの対応を確認してください。
「着工前の結果報告」と「14日前の届出」は同じではありません
事前調査結果の報告は、対象となる工事について元請業者または自主施工者が 着工前 に行う手続きです。一方、吹付け石綿や石綿含有の保温材・耐火被覆材・断熱材を扱う工事などでは、別途、作業開始の14日前までに届出が必要になる場合があります。発注者が自治体へ行う届出が関係することもあるため、調査結果が出た時点で、業者に必要な手続きと担当者を確認しましょう。
岡山市で解体を依頼する施主の役割
通常の請負工事で、事前調査や調査結果の報告を行う中心となるのは元請業者です。一方、施主にも、調査を正確に進めるために必要な情報を提供し、法令を守れる費用・工期・工法を前提に契約することが求められます。
- 建築確認関係の書類、設計図書、過去の改修資料があれば業者へ渡す
- 調査費用、必要時の分析費用、含有が確認された場合の追加費用条件を見積書で確認する
- 調査結果の書面説明を受け、報告対象かどうかと報告者を確認する
- 調査や必要な対策のために、極端に短い工期や不適切な費用条件を求めない
石綿が確認された場合に必要な届出、作業方法、工期への影響は、建材の種類・状態・工事内容で変わります。事前調査結果の報告とは別に、工事の内容によって届出が必要になる場合もあります。見積もりの段階で「調査結果により何が変わる可能性があるか」を確認し、口頭だけでなく書面に残すことが大切です。

見積書で確認したい5つのポイント
調査費用だけを比較すると、必要な確認範囲や、含有が判明した場合の扱いが見えにくくなります。複数社に見積もりを依頼する場合も、次の内容がそろっているかを確認すると比較しやすくなります。
- 調査の実施者と対象範囲: 資格者、母屋・付属建物・外構のうち何を調査するか
- 調査の方法: 設計図書の確認、現地確認、必要時の分析の考え方
- 結果の説明: 調査結果の書面をいつ受け取れるか
- 報告・届出の役割: 報告対象の場合に、誰が手続きを行うか
- 費用・工期への影響: 石綿含有が判明したときの追加作業、費用、工期変更の条件
「アスベスト調査一式」とだけ記載されている見積書では、対象範囲が分からないことがあります。物置や納屋、屋根材、外壁材、内装材など、解体する範囲に含まれるものを現地調査時に伝え、見積書との違いがないかを確認しましょう。
調査から着工までの進め方
- 解体範囲を整理する: 母屋だけでなく、付属建物、増築部分、物置などをリストアップする
- 資料を用意する: 設計図書、建築確認関係の書類、改修の記録があればまとめる
- 有資格者による調査を確認する: 対象範囲、実施時期、結果説明の方法を決める
- 報告・届出の要否を確認する: 80平方メートル以上の解体など、該当する制度を工程表へ反映する
- 調査結果を踏まえて契約する: 工期、費用、追加作業が生じる条件を確認してから着工する
電気・ガス・水道の停止時期、散水のための水道の扱いなど、解体前に並行して進める準備については、 解体前の電気・ガス・水道はいつ止める?岡山市で失敗しないライフライン手続き もあわせてご覧ください。
アスベスト事前調査に関するよくある質問
80平方メートル未満の小さな建物なら、調査は不要ですか?
いいえ。80平方メートルは、建築物解体における事前調査結果の報告基準の一つです。事前調査そのものは、原則として工事の規模にかかわらず必要です。小さな物置や納屋でも、解体範囲や建材に応じて業者へ確認してください。
石綿が見つからなかった場合も、報告は必要ですか?
解体部分の床面積合計が80平方メートル以上など、報告対象の工事に該当する場合は、石綿が確認されなかった場合も事前調査結果の報告が必要です。石綿の有無と、報告対象となる工事規模は分けて判断します。
事前調査結果の報告は、施主が行うのですか?
通常の請負工事では、元請業者または自主施工者が報告を行います。施主は、見積もり・契約前に報告対象か、誰がいつ手続きするか、調査結果の説明をどのように受けるかを確認しましょう。
14日前の届出と事前調査結果の報告は同じですか?
同じではありません。事前調査結果の報告は、一定規模以上の工事について元請業者または自主施工者が着工前に行います。14日前という期限は、石綿の種類や作業内容によって必要となる別の届出に関するものです。個別の調査結果に応じて、業者に必要な手続きを確認してください。
石綿が確認されたら、すぐに解体できなくなりますか?
必要な対応は建材の種類、状態、作業内容によって異なります。追加の届出や作業計画、飛散防止措置が必要になる場合があるため、調査結果を踏まえて業者から工期・費用・工事方法の説明を受けてください。アスベストを含む建物の解体費用や除去の流れについては、 アスベストを含む建物の解体工事の費用と流れを詳しく解説 で詳しく紹介しています。
岡山市で確認したい主な窓口・資料
- 岡山市:石綿含有建材の調査結果の報告について
- 厚生労働省 石綿総合情報ポータル:工事の元請業者のみなさまへ
- 厚生労働省 石綿総合情報ポータル:石綿事前調査結果報告システムについて
- 環境省:石綿事前調査結果の報告について
- 厚生労働省 石綿総合情報ポータル:発注者・施主のみなさまへ
まとめ|調査の要否と報告の要否を分けて確認しましょう
岡山市で建物を解体する場合、石綿事前調査は原則として工事の規模にかかわらず必要です。一方で、事前調査結果の報告は、建築物の解体部分が80平方メートル以上になる場合など、一定の条件で必要になります。80平方メートルという数字だけで、調査の要否まで判断しないようにしましょう。
空家解体.comでは、岡山市での空き家・実家・付属建物の解体について、現地調査の段階から石綿事前調査、必要な届出、見積もり内容、工事の進め方をご説明しています。解体範囲や建物の資料が分からない場合も、まずは現地調査・見積もりをご相談ください。






